インボイスファイナンスとは？3種類の債権取引を比較&解説します！

インボイスファイナンスとは？

インボイスは請求書のことで、これを利用した資金調達方法をインボイスファイナンスといいます。インボイスファイナンスには代表的な物が3種類あります。

• 売掛金担保融資のABL
• インボイスディスカウントファイナンス
• ファクタリング

に分けられます。

売掛金担保融資

売掛金担保融資は銀行で利用可能なインボイスファイナンスです。売掛債権に根抵当権の設定を行い融資枠を設けるか、短期資金で融資を受ける方法です。対象となる売掛債権は自社の債権で、短期資金融資については1年以内の場合が一般的です。

インボイスディスカウントファイナンス

インボイスディスカウントファイナンスは、輸出企業が債権譲渡によって資金化するやり方です。具体的には輸出債権を銀行などの金融機関に譲渡するもので、買い取りありの国際ファクタリングといえばイメージしやすいでしょう。ちなみに債務者は必然的に海外企業となるので、メガバンクなど限られた金融機関でしか取り扱いがないです。

ファクタリング

ファクタリングは売掛債権の売却譲渡で、譲渡先は売掛債権を専門的に買い取る会社の場合が多いです。審査が早くて通りやすいことから、急な資金調達に用いられます。審査対象は売掛先ですから、自社の信用で融資を受けるのが難しい場合にも活用できます。売買譲渡の取引に売掛先を含まない場合は2社間、売掛先に通知を行う場合は3社間となります。

売掛金担保融資とは

売掛金担保融資は事業における在庫、あるいは売掛金を担保に融資を受ける方法を指します。

不動産を担保にお金を借りるのが難しい場合でも、在庫や売掛債権を担保にできるのが魅力です。

銀行などの金融機関が提供している資金調達手段で、キャッシュフローの改善に活用可能です。

少額からでも融資を借りられることが多く、向いている業者は商品を在庫したり原材料や仕掛品といった動産を扱う企業と幅広いです。

車両や機械類を扱っている場合も向いている業者といえるので、様々なものが担保になることが分かります。

売掛金、それと受取手形などの売掛債権を扱う業者も同様に向いています。

手数料は10%前後が目安で、入金サイトが長めな時に手持ち不足が心配な時に頼りになる資金調達方法です。

他にも売上が上昇する一方で仕入れ資金の不足が見られる、もしくは逆に売れ行きが予想よりも落ちて在庫がだぶついている場合にも役立てられます。

赤字だったり債務超過の厳しい経営状況でも利用できますが、審査に時間が掛かるのがネックです。

在庫や売掛金の状況は金融機関に逐一報告しなくてはいけないので、その点も気になるところです。

最大のネックといえる審査時間は、期間にすると申し込みから早くても半月後、場合によっては1ヶ月先となるので、急な資金調達には向かないです。

インボイスディスカウントファイナンスとは

インボイスディスカウントファイナンスは輸出企業が一部買戻請求権、フォーフェイティングと言われる買戻請求権のノンリコースのいずれかで輸出債権を譲渡、資金化を行うやり方です。

まずは輸出企業が輸入企業と売買契約を結び、金融機関との間で債権譲渡契約を締結します。

商品を船積みしてインボイスの発行を受けた輸出企業は、金融機関に譲渡申し込みを行います。

そして輸出企業は譲渡代金の支払いを受け、輸入企業が後日期日までに支払いを済ませる形となります。

インボイスディスカウントファイナンスは、輸出ファクタリング的には3社間となります。そのためインボイスディスカウントファイナンスの利用には輸出企業は輸入企業の同意が必要です。

向いている業者はいうまでもなく、輸出事業を手掛けている企業です。

更にいえば事業の拡大を考えていたり、既に拡大し始めていて債権貸し倒れのリスクが高まっている企業となります。

複雑化する与信管理の簡略化にも繋がるので、業務の負担を減らしたい場合にも有効です。

資金調達の方法を増やしたり、いわゆるフリーキャッシュフローを増やしたいと考えている企業にも適しています。

輸出が本業でなくても、輸出を行っている企業であれば利用可能なので、向いている業者や業種は幅広いといえるでしょう。

ファクタリングと比べた際のメリット・デメリット

買い取りによる売掛債権譲渡のファクタリングに対し、インボイスファイナンスは融資の性質が強いです。

ファクタリングは審査が早く申し込みから代金の支払いまでがスピーディーなのがメリットです。ですので資金調達にあまり時間的な余裕がない場合に頼りになります。

ただ、売掛先に債権譲渡が知られない2社間ファクタリングは手数料が高いです。反対に売掛先も取引に関わる3社間ファクタリングは抑えられるものの資金調達に時間が掛かります。

2社間は最短即日で現金化できますが、3社間となると申し込みから2週間ほど要します。

インボイスファイナンスは不動産担保で融資を受ける場合に比べると手数料は高めですが、3社間ファクタリングよりは低く抑えられます。

担保にしたり売却、譲渡が行える不動産がなくても売掛金を担保に融資が受けられる、これがインボイスファイナンスのメリットです。

やはり、ファクタリングよりも少ない負担で資金調達できるのが魅力ですが、金融機関が提供する資金調達方法ですから、審査に時間が掛かってしまうのがデメリットとなるでしょう。

資金調達を急ぐならファクタリングが優位ですが、2社間だと20%と無視できない手数料が発生します。

3社間なら10%以下に収まりますが、売掛先に債権譲渡を知られることは避けられないので一長一短です。

インボイスファイナンス~まとめ~

今回は売掛債権を扱うインボイスファイナンスを3種類紹介しました。

売掛金担保融資は債権を担保に融資を受けるサービスでした。

インボイスディスカウントファイナンスは輸出事業者向けのサービス。

ファクタリングは債権を譲渡し資金を調達するサービスでした。

売掛金担保融資とファクタリングは資金調達の際にどちらを利用するか選ぶことができます。

状況に応じて自社の資金繰りに役立ててもらいたいです。

最後に

2023年10月から新たにインボイス制度が始まる予定です。インボイスファイナンスもさらに利用しやすくなるはずです。

今回説明をしなかったインボイス制度について詳しく知りたい場合は”こちら”をご覧ください。

悪徳ファクタリング業社に注意

ファクタリング業社の中には悪徳ファクタリング業社も存在します。これは金融庁が注意喚起を促す程です。

高額な手数料でファクタリングさせたり、ファクタリングと名乗り闇金融業社が貸し付けを行なってくる被害も多発しています。ファクタリング業社を選ぶ際には必ず優良ファクタリング業社を選びましょう。

当サイトは優良ファクタリング業社しか紹介していないので、安心してご利用ください。

金融庁の「ファクタリングに関する注意喚起」はこちらからご覧ください。