建設業では、工事代金の支払いサイト(入金までの期間)が長いことや、材料費・人件費などの前払い費用の負担が大きいことから、常に資金繰りの課題がつきまといます。
受注から工事完了後、実際に代金が支払われるまで数ヶ月かかるケースも珍しくありません。他業種と比べ入金サイクルが長いため、手元資金が不足しやすく、資金調達による橋渡しが欠かせないのです。また、重機購入や大型プロジェクト着手時にはまとまった資金が必要で、自己資金だけでは賄えない場合もあります。
資金繰りが滞れば下請け業者や職人への支払い遅延につながり、信用低下や工事遅延ひいては経営危機を招きかねません。逆に、適切なタイミングで十分な資金を調達できれば、資金繰りの安定によって安心してプロジェクトを進められ、チャンスが来たときに新規案件へ積極的に挑戦することも可能になります。
建設業にとって資金調達は事業継続と成長の要であり、その重要性は計り知れません。
本記事では、建設業者が利用できる資金調達方法を一覧で解説し、それぞれのメリット・デメリットを比較します。さらに、目的別におすすめの調達手段や成功事例、気を付けるべきリスクも紹介します。
即日資金調達が必要な場合から低金利での長期借入、無担保融資の活用、さらには補助金活用まで、建設業の資金調達に役立つ情報を網羅しました。
1. 建設業の資金調達が必要な理由
建設業特有の資金繰りの悩みとしてまず挙げられるのが、工事代金の入金まで時間がかかることです。建設業では工事完了後に請求を行い、実際の入金がそれから1~3ヶ月程度先になることも珍しくありません。
元請けから下請けへの支払いも月末締め翌々月払いなど長期化する商習慣があり、完成した仕事の対価を受け取る前に資金が滞留してしまうのです。その間にも職人の人件費や資材の仕入代金、重機レンタル代など先行で支払う経費が発生し、手元資金を圧迫します。
さらに建設業界では、約束手形による支払いも未だ存在します。手形で受け取った場合、現金化できるのは手形の期日(数ヶ月後)です。その間は実質的に売上が現金化されず、資金繰りが厳しくなる一因となります
。加えて、天候や景気に左右されやすく、季節的・突発的な資金需要(例:台風被害の復旧工事対応や繁忙期の一時的なコスト増)も発生しがちです。
以上のような理由から、建設業では一時的な運転資金の不足が起こりやすく、適切な資金調達によるフォローが不可欠です。必要なときに資金を確保できないと、有望な案件を逃したり、支払い遅延で信用を失ったりするリスクがあります。
反対に、十分な資金余力があればゆとりをもって工期や品質を守れ、資金繰りの不安なく本業に専念できます。事前に資金調達手段を把握し、状況に応じて活用することが建設業の健全経営において重要なポイントとなります。
2. 建設業向けの資金調達方法一覧と比較
建設業者が利用できる代表的な資金調達方法を紹介します。それぞれ仕組みや条件が異なり、調達できる金額やスピード、コスト面にも差があります。
銀行融資のように低金利で大きな額を借りられるものから、ファクタリングのように売掛金を活用して即日資金調達できるもの、返済不要の助成金・補助金まで様々です。まずは主要な手段を一覧で見ていき、その後に各方法の特徴を比較表でまとめます。
銀行融資(プロパー融資・信用保証協会付き融資)
銀行融資は、民間の銀行から事業資金を借り入れる方法です。建設業者にとっても一般的な資金調達手段で、大口の資金を低金利(数%前後)で調達できるメリットがあります。銀行融資には主に以下の2種類があります。
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プロパー融資(銀行独自の融資):銀行が独自の審査基準で貸し付ける融資です。信用保証協会の保証が付かない分、銀行にとって貸倒リスクが高いため、十分な信用力や担保が求められます。長年の業歴や安定した財務状況がある中堅以上の建設業者向けで、審査ハードルは高めです。その代わり条件が合えば高額な融資枠を確保でき、使途の自由度も比較的高いです。
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信用保証協会付き融資:各都道府県にある信用保証協会が保証人となる融資制度です。中小企業向けの公的制度融資であり、銀行から見ると保証協会の保証がある分貸し倒れリスクが低減します。建設業は財務状況が不安定な場合も多いですが、保証協会付きなら信用力が低めでも借りやすいメリットがあります。協会に支払う保証料が別途かかるものの、無担保融資で利用できるケースも多く、プロパー融資より利用しやすいのが特徴です。ただし審査には詳細な書類提出が必要で、融資実行まで1~2ヶ月ほど時間を要するのが一般的です。
いずれの銀行融資も、長期資金の調達に向いており、設備投資や事業拡大など腰を据えた資金需要に適しています。毎月の返済計画を立てやすく、返済期間も数年~十数年と長期にわたるため、資金繰りへの負担を平準化できる点は大きなメリットです。
ただし、借入にあたっては代表者の個人保証(連帯保証人)を求められることが多く、万一返済不能に陥った場合は経営者個人の資産がリスクにさらされます。安易に借り過ぎないよう注意し、借入後の返済計画まで見据えて利用しましょう。
ファクタリング(2社間・3社間)
ファクタリングとは、工事代金などの売掛金(請求書債権)を現金化する資金調達方法です。具体的には、売掛債権をファクタリング会社に買い取ってもらい、手数料を差し引いた金額を即座に受け取ります。
法律上は「債権の譲渡」であり、借入ではないため負債が増えないのが特徴です。審査も売掛先(発注元となる元請けや顧客)の信用力に基づいて行われるため、自社が赤字決算であっても利用できるケースが多く、銀行融資に比べてハードルが低いです。
ファクタリングには方式が2種類あります。
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2社間ファクタリング:資金調達する会社(建設業者)とファクタリング会社の2者間で行う契約です。売掛先へは通知されずに債権を譲渡します。売掛先が絡まない分手続きが簡便で、最短即日で資金化できるスピードが魅力です。ただしファクタリング会社は債権回収リスクを負うため、手数料はやや高め(売掛金額の数%~十数%)に設定されます。
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3社間ファクタリング:上記2社間の契約に加え、売掛先(元請けなど)の承諾を得て行う方式です。売掛先にもファクタリング利用が知られる代わりに、ファクタリング会社としてはリスクが減るため手数料が低め(数%程度が一般的)に抑えられるメリットがあります。資金化までに売掛先の同意プロセスが入る分、2社間より時間がかかる点には注意が必要です。
ファクタリングを使えば、通常は工事完了後○ヶ月待たないと受け取れない代金を即座に現金化でき、下請けへの支払いや次の現場の仕入資金に充てることができます。
銀行からの借入と違い審査書類も最低限で済み、担保や保証人も不要です。一方で手数料負担が資金調達コストとなるため、利益率の低い案件ばかりをファクタリングに頼ると収支が悪化しかねません。
資金繰り改善の即効薬として非常に有用ですが、手数料率や信頼できるファクタリング会社選びに留意し、違法な高金利を課すヤミ金融的業者には注意が必要です。
助成金・補助金(国や自治体の支援策)
助成金・補助金は、国や自治体など公的機関から返済不要でもらえる資金です。建設業向けにもさまざまな補助・助成制度が存在し、条件を満たして採択されれば事業資金の一部を賄うことができます。
例えば、国の代表的な補助金には、中小企業の生産性向上を支援する「ものづくり補助金」や、事業再編・業態転換を支援する「事業再構築補助金」などがあります。自治体レベルでも、建設業のICT化や環境対応工事に対する補助金、新技術導入に対する助成金など、多彩な支援策が用意されています。
助成金・補助金の最大のメリットは、なんといっても返済義務がない点です。融資やローンと異なり、受給したお金を返す必要はありません。そのため資金繰り上の負担が増えず、自己資本の充実につながります。
また、「補助金を活用して最新機械を導入した」「助成金で人材育成研修を実施した」など、公的支援の活用実績は銀行からの評価アップにもつながる場合があります。
一方、デメリット・注意点もあります。まず基本的に補助金は事前申請が必須であり、申請書類の作成や事業計画の立案に手間がかかります。採択は競争で、応募しても必ずもらえるとは限りません(人気の補助金は採択率が低い傾向にあります)。
仮に採択されても、助成金が支給されるのは事業完了後や後日精算払いの場合が多く、実際の入金までに時間を要します。そのため、補助対象事業を遂行するための一時立替資金は別途用意しておく必要があります。
また、助成金の場合は要件を満たせば交付されますが、不正受給や目的外使用をすると返還や罰則のリスクがあります。利用の際は募集要項をよく読み、条件を順守することが大切です。
以上を踏まえ、補助金・助成金の活用は建設業者にとって資金負担を大きく軽減できる魅力的な手段です。特に設備投資や新規事業立ち上げなどまとまった資金が必要なタイミングでは、まず該当する公的支援策がないか情報収集することをおすすめします。
国・自治体の公式サイトや業界団体の案内をチェックし、申請可能なものには積極的にチャレンジしてみましょう。
クラウドファンディング(新規プロジェクト資金調達)
クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の人から資金を募る資金調達方法です。建設業界ではまだ一般的とは言えませんが、ユニークな建築プロジェクトや地域再生事業などで活用例が出てきています。
例えば、「歴史的建造物をリノベーションして地域交流拠点を作る」といったプロジェクトに共感した支援者から資金を集めるケースなどがあります。
クラウドファンディングにはいくつか種類がありますが、建設業で活用しやすいのは購入型(または寄付型)と融資型(ソーシャルレンディング)です。
購入型は、支援者がお金を出す見返りにそのプロジェクトの完成物やサービス、記念品などのリターンを受け取る形式です。例えば、完成した建物の利用券や、名板への名前刻印、オープニングイベント招待などを提供します。
融資型(貸付型)は、支援者からの出資を借入金として受け取り、後日利息を付けて返済するタイプで、事実上の無担保融資を不特定多数から募る形です。
クラウドファンディングのメリットは、資金調達と同時にPR効果が得られることです。
プロジェクト内容を広く発信し共感者を募る過程で、自社の取り組みをアピールでき、支援者がそのままファンや顧客になる可能性もあります。また、購入型であれば原則返済不要なので実質的に自己資本と同様の資金となります。少額から多数の人に協力してもらえるため、銀行融資が難しい新規性の高い企画でも資金調達の糸口がつかめるでしょう。
一方デメリットは、必要な資金が確実に集まる保証がないことです。目標金額に達しなければ不成立となり資金は得られません(All-or-Nothing方式の場合)。
また、プロジェクト内容や魅力を十分に伝えるためのマーケティングやコミュニケーションに時間と労力がかかります。調達までに募集期間を設ける必要があるため、即座に資金が欲しい場合には不向きです。さらに融資型の場合は後々の返済負担も発生します。
クラウドファンディングは、主に新規性の高いプロジェクト資金や地域貢献的な建設計画に適した手段と言えます。
資金調達額の規模は不特定ですが、アイデア次第では数百万円~数千万円規模を集める成功事例もあります。銀行融資などと組み合わせて不足分をクラウドファンディングで賄うといった柔軟な活用も可能です。
リース・割賦(設備投資向け資金調達)
リースや割賦販売は、建設機械や車両、IT機器などの設備を取得する際に有効な資金調達方法です。直接お金を手にするのではなく、必要な設備を分割払いで利用・購入する仕組みで、結果的に手元資金の流出を抑える効果があります。
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リース:リース会社が建設機械など必要な設備を代わりに購入し、それを建設業者が長期間(月額払いなど)で借りる契約です。実質的には設備を長期レンタルする形になります。契約期間中はリース料を支払い、期間満了後は返却するオペレーティングリースと、最終的に買い取ることを前提としたファイナンスリースがあります。いずれにせよ初期費用が不要か低額で済み、自己資金ゼロで高額な重機等を使い始められるのがメリットです。審査も設備そのものの担保価値が重視されるため、融資より通りやすい傾向にあります。
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割賦購入:販売会社や信販会社との契約で、設備を分割払い(ローン)で購入する方法です。建設機械メーカーが自社製品購入者向けに割賦払いプランを用意している場合もあります。実質的には金利付きの分割払いですが、所有権は払い終わるまで相手方に留保されるケースが多く、途中で支払いが滞ると回収対象になります。リースとの違いは最終的に自社の資産にできる点で、長期的に保有したい設備なら割賦購入が適しています。
リース・割賦の利点は、資金繰りを圧迫せずに設備導入が可能になることです。一括購入では数千万円かかる重機も、月々のリース料や割賦支払いにすれば経費計上しながら徐々に支払っていけます。
また、リース料は経費扱いで損金処理できるため節税メリットもあります(ファイナンスリースの場合は資産計上となるケースあり)。契約によっては保険やメンテナンス費込みのものもあり、維持管理面での負担軽減も期待できます。
デメリットとしては、総支払額が現金一括購入より高くなる点です。利息や手数料相当分が上乗せされるため、長期で見ると割高になります。また、リース契約では途中解約が難しく、契約期間中は使わなくなっても支払いが続くリスクがあります。
所有権が自社にないため改造や転売が自由にできない制約もあります。割賦購入でも支払い完了までは所有権留保される場合があり、完済前に売却して資金化することはできません。
以上から、リース・割賦は設備投資向けの資金調達として有用ですが、長期的なコスト計算と契約条件の確認が大切です。必要な機械をタイムリーに導入しつつ、資金繰りを平準化できる手段として状況に応じて活用しましょう。
ビジネスローン・ノンバンク融資
ビジネスローンとは、ノンバンク(銀行以外の金融機関)や消費者金融系会社が提供する事業者向け融資商品の総称です。銀行のように厳格な審査基準ではなく、比較的審査が緩やかでスピーディーに資金を借りられるのが特徴です。
無担保・第三者保証人なしで借りられる無担保融資が中心で、オンライン申し込みに対応したサービスも多く、早ければ即日融資も可能と宣伝する商品もあります。
代表的なビジネスローン提供会社には、消費者金融系(○○ファイナンスなど)や信販系、リース会社系の金融子会社などがあり、借入限度額も数百万円から数千万円程度まで様々です。建設業のように銀行融資を受けにくい業種や、小規模で実績が浅い会社でも利用できるケースがあるため、資金繰りが苦しいときの駆け込み的手段として利用されることがあります。
ビジネスローンのメリットは、スピードと手軽さです。必要書類も最低限(身分証や通帳の写し、確定申告書など)で済み、来店不要でネット完結できるサービスもあります。担保提供が不要なので、不動産や重機を持たない会社でも借りやすいです。また、使途が自由な運転資金として使えるため、つなぎ資金や急な出費にも対応しやすいでしょう。
ただし大きなデメリットとして、金利が高い点が挙げられます。銀行融資が年利1~3%程度なのに対し、ビジネスローンは年利5~15%程度とコストが割高です。短期の借入であっても利息負担が重く、長期化すると支払利息が経営を圧迫しかねません。
また、一部業者は表面上は低金利を謳っていても各種手数料が高額だったり、グレーゾーン金利の貸付を行ってトラブルになるケースも報告されています。借入可能額も融資審査が緩い分、小口(数百万円以下)に限られることが多いです。
ビジネスローンは「最後の手段」と位置付け、銀行融資や他の方法では間に合わない緊急時のみ利用するのが賢明です。
利用する際は信頼できる大手業者を選び、貸金業登録の有無を確認するなど注意が必要です。一度利用すると継続的に借入に頼ってしまう企業もありますが、高金利の借り入れに依存する体質は早めに改善しましょう。
その他の資金調達手段(手形割引、株式発行など)
上記以外にも、建設業者が活用できる資金調達の選択肢はいくつかあります。
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手形割引:既に受け取っている約束手形を現金化する方法です。銀行や手形割引業者に手形を買い取ってもらい、期日までの利息や手数料を差し引いた金額を受け取ります。ファクタリングに似ていますが、譲渡対象が手形である点が異なります。手形を担保に資金を融通してもらうイメージで、数日以内に資金化できるスピードが魅力です。ただし、もし手形の振出人(元請けなど)が期日に不渡りを出すと、割引を利用した自社が買取金額+利息を返済する義務を負います。つまり売掛先の信用リスクを自社が保証する形になるため、相手先の信頼性を見極めて利用する必要があります。
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社債発行:自社で企業債券(社債)を発行して資金を集める方法です。一般的に中小建設業者が社債を発行するのはハードルが高いですが、同族企業が役員や親族から資金を集める私募債形式や、取引先に引き受けてもらう社債などの手法があります。社債は銀行借入とは別枠で資金を調達でき、金利や償還条件も自社である程度設定可能ですが、社債購入者の信用に応えるため財務内容の開示や利払いの確実性を示す必要があります。
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株式発行(増資):株式会社であれば、新たに株式を発行して出資を募る(増資する)ことで資金調達が可能です。オーナー自身が追加出資する場合や、外部の出資者(投資家)に株式を引き受けてもらう場合があります。出資金は返済不要で利息負担もありませんので、財務上は非常に健全な資本となります。ただし経営権の希薄化(他者に株式を握られる)につながる点には注意が必要です。信頼できるパートナーから出資を仰ぐ場合は、資金調達と経営基盤強化の両方に寄与するでしょう。
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親族・知人からの借入:金融機関以外からの借入として、親兄弟や友人、事業仲間などから資金を融通してもらうケースもあります。契約内容が当事者間で柔軟に決められ、利息を低く抑えたり無利息にしてもらえたりする利点があります。ただし金銭の貸し借りは人間関係に影響を及ぼす可能性があるため、公正証書を作成するなどトラブル防止策を講じることが望ましいでしょう。
以上、建設業で利用される主な資金調達手段を紹介しました。次に、これら手段の特徴(スピードやコスト面)やメリット・デメリットを比較表にまとめます。自社の状況と資金ニーズに照らして、どの方法が適しているか検討する参考にしてください。
資金調達方法の比較表(特徴・メリット・デメリット)
各資金調達手段について、資金化の速さ、費用(利息や手数料)、担保や保証の要否、主なメリット・デメリットを比較します。
資金調達手段 | 調達スピード | 金利・手数料 | 担保・保証人 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|
銀行融資(信用保証付き) | 1~2ヶ月程度 | 低金利(年数%前後)+保証料 | 原則無担保(保証協会保証) ※代表者保証ありの場合多い |
・長期・大口の借入が可能 ・信用力が低めでも借りやすい |
・審査に時間と手間がかかる ・保証料の負担 |
銀行融資(プロパー融資) | 1~2ヶ月程度 | 低金利(年数%前後) | 担保や第三者保証人が必要な場合あり | ・融資額の上限が高い ・使途の自由度が比較的高い |
・中小企業には審査ハードル高い ・経営者保証が求められやすい |
ファクタリング(2社間) | 即日~数日程度 | 手数料5~15%(債権額に応じ) | 不要 | ・最短即日資金調達が可能 ・赤字決算でも利用しやすい |
・手数料負担が大きい ・利用先に秘密にできるが信用不安視リスク |
ファクタリング(3社間) | 数日~1週間程度 | 手数料1~10%程度 | 不要 | ・手数料が低め(コスト削減) ・資金調達額に上限なし |
・利用を取引先に知られる ・手続きに売掛先の承諾が必要 |
手形割引 | 即日~1週間程度 | 割引料(年利換算数%前後) | 手形の裏書保証(債務保証) | ・受取手形をすぐ現金化できる ・銀行取引実績につながる |
・不渡り時は返済義務発生 ・割引料(利息)コスト |
日本政策金融公庫からの融資 | 2週間~1ヶ月以上 | 低金利(年1~2%台) | 原則無担保(保証人なし可) | ・政府系で起業時でも利用しやすい ・据置期間など柔軟な条件 |
・申請~融資実行に時間 ・融資額に上限(制度ごとに規定) |
助成金・補助金 | 数ヶ月~1年程度 | なし(自己負担分のみ) | 不要 | ・返済不要で実質タダ ・資金調達と設備導入等を同時実現 |
・採択されるかわからない ・入金まで立替が必要 |
クラウドファンディング(購入型) | 1~3ヶ月程度 (募集期間) | プラットフォーム手数料5~20% | 不要 | ・返済不要(商品やサービス提供で完結) ・PR効果大 |
・目標未達時は資金得られない ・準備・広報に労力が必要 |
クラウドファンディング(融資型) | 1~3ヶ月程度 (募集期間) | 利率数%+手数料 | 不要 | ・銀行NG案件でも資金調達可 ・少額から集められる |
・後日利息付で返済必要 ・募集が成立しないリスク |
リース | 数日~数週間 | リース料(実質金利3~10%) | リース物件が担保扱い | ・初期費用ゼロで設備導入 ・固定費化で資金計画しやすい |
・総支払額は購入より割高 ・途中解約や転売が不可 |
割賦購入(ローン) | 数日~数週間 | 金利(年3~10%程度) | 購入物件に所有権留保 | ・分割払いで資金負担軽減 ・支払い完了後は自社資産になる |
・利息分コスト増 ・支払完了まで資産処分不可 |
ビジネスローン(ノンバンク) | 即日~1週間程度 | 高金利(年5~15%超) | 不要(無担保) | ・審査が速く即日融資も可 ・小口でも借りやすい |
・金利負担が非常に重い ・借入額が小規模に限られる |
株式発行(増資) | 数ヶ月~ | なし(配当は利益から) | 不要 | ・返済や利息負担なし ・自己資本比率が向上 |
・出資者に経営権を渡す ・増資に時間と手続きが必要 |
※上記は一般的な目安です。実際の金利・手数料や調達可能額、スピード等は個別の条件や金融情勢によって異なります。
3. おすすめの資金調達手段ランキング(目的別)
資金調達方法には様々な選択肢がありますが、目的や状況によって最適な手段は異なります。
ここでは
- 「資金繰り改善」
- 「低金利での長期資金」
- 「即日で資金調達」
- 「補助金・助成金の活用」
という4つの目的別に、特におすすめできる調達手段をランキング形式で紹介します。自社のニーズに合った手段選びの参考にしてください。
資金繰り改善におすすめの手段
日々の資金繰りを改善し、当面の支払いを乗り切ることが目的の場合、スピード重視で現金を確保できる手段が有効です。売掛金や受取手形がある企業はそれを活用し、ない場合でも在庫や契約をもとに資金化を図る方法があります。
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ファクタリング – 売掛金を早期現金化することで、長い入金サイトをカバーし資金繰りを大幅に改善できます。特に2社間ファクタリングなら最短即日で資金調達可能で、月末の支払い資金が足りない…という場合に最適です。即日資金調達が必要な状況でも対応でき、借入ではないため負債を増やさずに済む点もメリットです。
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手形割引 – 元請けなどから受け取った約束手形があるなら、期日を待たずに銀行等で割り引いて資金化することで資金繰りを助けます。手形決済慣行のある建設業者にとってはポピュラーな方法で、数日以内に現金を得られます。ただし不渡りリスクには注意が必要なので、振出人の信用状況を確認した上で利用しましょう。
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ビジネスローン(短期借入) – 売掛債権や手形がない場合、ノンバンク系のビジネスローンで運転資金を借り入れる手もあります。審査が早く無担保で借りられるため、急場のつなぎとして有効です。ただし金利が高いため、資金繰り改善後できるだけ早期に全額返済し長期の借入にしないことが肝心です。
※補足:上記以外に、在庫資材や保有機械を担保に入れて資金を借りる(ABL=動産担保融資)や、取引先に支払いサイトの短縮を交渉する、といった資金繰り改善策もあります。状況に応じて組み合わせて実行すると効果的です。
低金利・長期借入向けの手段
資金調達コストを抑えつつ、設備投資や事業拡大のために長期的に使える資金を確保したい場合は、やはり低金利の公的融資や銀行融資が第一候補となります。返済期間が長く設定できるほど月々の負担は軽くなり、資金繰りへのインパクトを小さくできます。
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銀行融資(信用保証協会付き融資) – 建設業の中小企業であれば、まずは信用保証協会の制度融資を活用した銀行融資が最有力です。政府系の信用保証を付けることで借りやすくなっており、低金利かつ長期(5年~10年程度)の借入が可能です。設備資金から運転資金まで用途に応じ商品も揃っているため、まずは取引のある銀行や地元信用金庫に相談してみましょう。
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日本政策金融公庫の融資 – 国が100%出資する政策金融機関で、創業時の無担保融資制度や中小企業向けの低利融資メニューが豊富です。建設業向けにも「運転資金貸付」「設備資金貸付」などがあります。公庫融資は無担保・無保証人で借りられるケースも多く(新創業融資など)、据置期間(借入後、元金返済を一定期間待ってもらえる)が設けられるなど返済負担に配慮された商品もあります。長期固定金利で計画的に返済でき、金利水準も銀行と同程度かそれ以下に抑えられています。
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リース・割賦(長期支払い) – 設備投資であれば、あえて借入をせずリース契約や割賦払いを利用するのも賢明です。リース料率は実質金利換算で見ると銀行融資より高めになることもありますが、頭金なし・担保提供なしで実質的に長期資金を調達するのと同じ効果があります。例えば5年リースで重機を導入すれば、その分のキャッシュアウトを5年にわたり分散できるため、長期借入に近いメリットが得られます。金利という形で見えないコストもありますが、資金繰り優先で考えるなら一考に値します。
即日資金化できる資金調達方法
「明日までに○○万円必要!」といった緊急時には、スピード重視で資金を用意できる手段が限られます。建設業の場合、急な機械トラブルや予想外の出費、あるいは明日が給料日なのに入金遅延が発生した…など切迫した状況も起こりえます。以下に即日資金調達が可能な方法を順位付けします。
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2社間ファクタリング – すでに説明したファクタリングの中でも、2社間ファクタリングは最速です。当日中に必要書類の提出と審査が完了すれば、即日で指定口座に資金が入金されます。売掛金さえあれば担保も保証人も不要で利用できるため、スピードと手軽さで他の追随を許しません。調達コスト(手数料)はかかりますが、背に腹は代えられない緊急時には最有力の選択肢です。
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ビジネスローン(即日融資タイプ) – ノンバンク系の中には、最短○時間で融資可能とうたうビジネスローン商品があります。インターネットから24時間申込みでき、審査後すぐ振込というサービスも増えています。例えば〇〇ファイナンスの事業者ローンは平日14時までの申込完了で当日入金可能です。こうした即日融資サービスを活用すれば、担保がなくても当日中に資金を用意できるでしょう。ただし利用限度額は数百万円程度までが一般的で、高額の資金が必要な場合には十分な額を調達できない可能性があります。また繰り返しになりますが金利負担は非常に重いため、あくまで一時凌ぎと心得ましょう。
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手形割引 – 受取手形が手元にあれば、それを持ち込んで銀行で割り引いてもらうことで即日資金化ができます。銀行との取引状況にもよりますが、早ければその場で現金化してくれる場合もあります(初めて利用する際は翌営業日以降になることも)。建設業では高額の手形も発行されるため、手形割引を活用すれば急場の資金ニーズに対応可能です。ただし銀行が営業している平日の時間帯でないと利用できない点や、初めて相談する金融機関では時間がかかる点には留意しましょう。
補助金・助成金を活用する手段
補助金・助成金を上手に活用することで、資金繰りに余裕を持たせたり事業拡大の原資に充てたりすることができます。ここでは、補助金・助成金を得るためのポイントや手段を簡単にランキング形式でまとめます。
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国の大型補助金への応募 – 前述の「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」など、国(主に経済産業省系)の大型補助金は採択されれば数百万円~数千万円単位の資金を獲得できます。設備投資や新分野進出を検討している建設業者は、これら公募情報をチェックし、該当するようであれば積極的に応募しましょう。採択率は高くありませんが、補助金活用に成功すれば自己負担を大きく減らして事業展開できます。応募に際しては事業計画書の作り込みが重要なので、中小企業診断士等の専門家に相談するのも有効です。
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自治体の補助・助成制度の活用 – 各自治体(都道府県や市区町村)でも、中小建設業者向けの独自支援があります。例えば、「省エネ設備導入補助」「若手技能者育成助成金」「災害復旧支援金」など地域の実情に合わせた制度があります。国の補助金に比べ金額は小さいものの、その分応募数も限られ競争率が低い傾向があります。自社の所在地や主要な営業エリアの自治体ホームページを定期的にチェックし、使えそうな制度があれば見逃さず申請しましょう。
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要件型の助成金の活用 – 厚生労働省系を中心に、一定の条件を満たした企業に交付される助成金も積極的に活用しましょう。例えば「人材開発支援助成金(旧キャリアアップ助成金)」は従業員研修を実施すると訓練経費や賃金の一部が助成されます。また「雇用調整助成金」は景気悪化時に休業手当などを支給した場合に補填が受けられます。これら助成金は条件を満たせば基本的に全ての申請者が受給可能で、補助金のような審査・選考はありません。国の制度をフル活用し、人件費や教育費の一部を公的資金でまかなうことで、結果的に手元資金を厚く保てます。社労士や商工会議所に相談すると自社が使える助成金制度を教えてもらえるので、一度確認してみると良いでしょう。
以上のように、補助金・助成金は情報戦でもあります。国や自治体、関係省庁の発表をチェックし、タイミングを逃さず申請することで返済不要の資金を獲得できます。ただし補助金の場合は事前投資と事後報告が必要になるケースが多いので、実行計画と資金繰り計画をしっかり立てて臨みましょう。
4. 建設業の資金調達に関する成功事例・体験談
実際に資金調達を上手く活用してピンチを切り抜けたり、事業を成長させたりした建設業者の事例を紹介します。また、資金調達に失敗してしまった例とその対策からも学びましょう。
ケース1:ファクタリングで大型案件の先行費用を乗り切った事例
地方で土木工事を請け負うA社は、元請けから大規模案件(工期6ヶ月、受注額1億円)を受注しました。
魅力的な案件でしたが、下請け業者への支払いや資材調達に数千万円規模の先行費用が必要で、手元資金では賄い切れません。銀行融資も検討しましたが、決算が赤字で審査に時間がかかる懸念があり、工事着手に間に合わない状況でした。そこでA社は、売上代金の一部をファクタリングで資金化することを決断。
工事進捗に応じて発行する中間請求書を2社間ファクタリングで売却し、合計5000万円の資金を確保しました。結果、下請けへの支払いも滞りなく行え、工事も順調に完了。完成後の出来高請求分でファクタリング利用分の手数料を差し引いても十分な利益が確保できました。
「銀行から借金せずに済み、金利ではなく手数料処理なので財務的なプレッシャーも小さかった」とA社社長は述べています。ファクタリング活用により大型案件を無事完遂し、売上拡大と信用向上を実現した成功例です。
ケース2:低金利融資で設備投資・業容拡大に成功した事例
創業10年の建設会社B社は、受注増に対応するため最新の重機導入と人員増強を計画していました。
必要資金は約3000万円。自己資金だけでは不十分なため、日本政策金融公庫の融資制度に申し込みました。直近期は若干の赤字決算だったため不安もありましたが、大口受注予定の契約書や具体的な事業計画を示し、専門家(認定支援機関)のサポートも受けて申請書を作成。その結果、公庫から低金利の長期融資(3000万円、うち据置6ヶ月)を受けることに成功しました。
融資実行後、B社は計画通り重機を導入して工事効率を高め、新規雇用も進めました。半年後には売上・利益ともに向上し、融資返済も順調に進んでいます。B社社長は「赤字でもしっかり準備すれば借入できた。低金利融資のおかげで資金繰りに余裕が生まれ、攻めの経営に転じることができた」と語っています。この事例は、公的融資を活用して事業拡大を果たした成功体験と言えるでしょう。
ケース3:資金調達に失敗した例とその教訓
建設業C社の社長Kさんは、運転資金確保のため日本政策金融公庫からの融資を希望していました。知人に「公庫融資は簡単」と聞き、深く考えずに2000万円の融資を申し込もうとしました。しかし実際に相談すると書類準備が煩雑で面倒に感じ、専門の融資コンサルタントに依頼して申請手続きを進めました。
希望額は600万円に現実的に修正して挑んだものの、結果は融資否決…。公庫担当者からは「直近期の消費税未納がある」「過去に申告遅れや支払い延滞が見られ信用に欠ける」と厳しい指摘を受けてしまいました。K社長は自社の経理管理の甘さを痛感し、「きちんと納税し、支払い期日を守るよう半年~1年取り組めば再度見てもらえると言われた」と反省しました。
この失敗事例から得られる教訓は、融資審査において日頃の信用管理(税金や公共料金の支払い状況、申告の適正さ)が重視されるということです。資金調達を成功させるには、平時から財務規律を守り信用を築いておくことが何より重要だとK社長は語っています。その後C社は指摘を真摯に受け止め、未納税の完納・帳簿管理の見直しを行い、半年後に再度公庫融資にチャレンジして無事融資を実行できたとのことです。
5. 資金調達のリスクと注意点
資金調達は経営にとって助けとなる反面、使い方や借り方を誤るとリスクも伴います。最後に、建設業者が資金調達を行う際に注意すべきポイントやありがちな失敗例を確認しましょう。
過剰な借入のリスク
融資を受けられるからといって安易に借り過ぎるのは危険です。借入金には利息が付きますし、返済義務があります。必要額以上の借入は利息負担によるコスト増だけでなく、将来のキャッシュフローを圧迫し、いざという時にさらに借りる余力(借入枠)を奪ってしまいます。
特に建設業は受注状況によって収支が変動しやすいため、身の丈に合った借入を心がけ、借入金依存の体質にならないよう注意しましょう。目安として、年間キャッシュフローで十分返済可能な範囲(返済負担率やDSCRなどの指標をチェック)に借入額をとどめるべきです。
違法業者・詐欺への注意
資金繰りが逼迫しているときほど、冷静な判断が難しくなりがちです。しかし追い詰められている状況に付け込んでくる闇金融や詐欺まがいのブローカーには十分注意してください。例えば「保証金を先に振り込めば高額融資します」という話は高確率で詐欺です。
また、貸金業登録をしていない業者から高金利で借りる行為は違法であり、トラブルに巻き込まれる可能性が極めて高いです。
ファクタリングを装いつつ実態は貸付(利息制限法違反の高利貸し)という悪質業者も存在します。資金調達先は必ず信頼できる金融機関やライセンスを持つ業者を選びましょう。公的機関や専門家への相談も活用し、怪しい話には乗らないことが肝心です。
契約条件・法律の確認
資金調達の契約内容は細かい点まで理解しておく必要があります。例えば、銀行融資では財務制限条項が付く場合があります(一定の利益維持や追加借入制限などの約束)。手形割引では、万一不渡りの場合の返済義務は誰にあるか、といった点も把握しておくべきです。
リース契約でも、中途解約時の違約金や物件返却条件などチェックが欠かせません。知らずに契約違反となれば一括返済やペナルティの対象となり、経営に致命的な打撃を受けかねません。契約書は署名前に熟読し、不明点は遠慮なく確認しましょう。
返済計画の重要性
借入やリースは手段であって目的ではありません。調達した資金を有効に活用し、なおかつ将来きちんと返済していく計画があってこそ意味があります。資金調達前に、返済シミュレーションや資金繰り表を作成し、返済に無理がないかを確認しましょう。
もし「この案件が完了すれば返せるはず…」といった楽観的な見込みだけで借りてしまうと、予定が狂ったときに立ち行かなくなります。
複数の案件がある場合は、どの案件の利益でどの借入を返すかといった対応関係も考えておくと管理しやすいです。返済が苦しくなった場合は、早めに金融機関に相談し返済猶予(リスケ)等の措置を取ることも選択肢ですが、まずはそうならないよう計画段階で慎重にシミュレーションすることが大切です。
使途の管理と効果測定
調達した資金は当初の目的にしっかり使われているか管理しましょう。建設業では現場ごとの収支管理が重要ですが、借入金がどの現場のために使われたかを明確にしておくと、後で「借り損」に陥りにくくなります。
例えば、新機械導入のために借りたのに他の赤字穴埋めに流用してしまうと、本来得られるはずの生産性向上効果も出ません。資金調達による効果(売上増、経費削減など)が計画通り発揮されているか検証し、もし効果が出ていないなら早めに対策を打つ必要があります。単にお金を入れるだけでなく、それをどう活かして経営を改善するかまでワンセットで考えましょう。
6. まとめ:建設業の資金調達で最も重要なポイント
建設業における資金調達について、理由から手段、成功事例、注意点まで解説してきました。最後に、本テーマの要点と、資金調達を成功させるために押さえておきたいポイントをまとめます。
状況に応じて最適な手段を選ぶ
一口に資金調達と言っても、銀行融資・ファクタリング・補助金など多岐にわたります。それぞれスピードやコスト、適した用途が異なります。「なぜ資金が必要なのか」「いつまでにいくら必要か」を明確にした上で、その場面に合った調達方法を選択することが肝心です。例えば、「今週中に下請け支払い資金○○万円が必要」ならファクタリングを検討、「来年度に向けて設備投資資金を低金利で確保したい」なら公庫や銀行融資、「将来を見据えて財務体質を強化したい」なら補助金や増資、といった具合に取捨選択しましょう。
資金調達は手段であり目的ではない
資金を調達すること自体がゴールではありません。その資金で何を実現し、どんな成果を上げるかが重要です。借りたお金は将来返さなければならないですし、補助金であっても目的に沿った使い方をして初めて価値があります。調達後も資金使途を管理し、計画した効果(売上拡大やコスト削減)が出るようPDCAを回しましょう。資金調達に頼り切らず、最終的には自社で十分なキャッシュを生み出せる体質を目指すことが健全な経営につながります。
信用を築き活用する
建設業の資金調達では「信用」がものを言います。銀行融資にせよファクタリングにせよ、取引実績や財務内容といった信用力が良ければ有利な条件で資金調達できます。日頃から金融機関とはコミュニケーションをとり、業績が良いときほど融資枠の提案を受けておくなど関係構築をしておくと、いざという時に頼りになります。また下請けや元請けとの支払いサイト短縮交渉なども、日頃の信頼関係があればこそ可能になります。さらに、公的支援を受けた実績(補助金採択や公庫融資利用など)は対外的な信用アピールにもなるため、上手に活用しましょう。
専門家の力を借りる
資金調達は経営者にとって頭の痛い問題ですが、すべて一人で抱える必要はありません。金融機関の担当者や、中小企業診断士・税理士・社労士など資金調達に詳しい専門家に相談することで、適切なアドバイスや手続きを手伝ってもらえます。とくに補助金申請や創業融資などは専門家サポートが成功率を高めるケースが多いです。商工会や自治体の無料相談窓口も活用し、客観的な視点で資金繰りを見直すことも大切です。
計画性と早めの対策
資金繰り表を作成し、将来の資金不足が見込まれるときは早め早めに手を打つのが基本です。手元資金が尽きかけてから動くと選択肢は限られ高コストの調達に頼らざるを得ません。逆に、まだ余裕があるうちから銀行に相談したり、使える補助金を調べたりすれば、有利な資金調達の道が開けます。建設業では受注残や工事進捗から半年先の資金需要も予測しやすいので、先手の資金計画を習慣化しましょう。
以上、建設業の資金調達について包括的に解説しました。資金調達は企業経営の血液を循環させるようなものです。適切な手段で必要十分な資金を確保し、賢く活用することで、資金繰りの不安を解消し本業に集中できます。ぜひ本記事を参考に、自社に合った資金調達戦略を練ってみてください。資金面が盤石になれば、さらなる事業拡大やチャンス獲得への道が開けるでしょう。あなたの建設ビジネスの発展を応援しています!
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資金調達本舗基本情報
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ビートレーディング基本情報
即金可能額 | 下限・上限設定なし |
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買取手数料 | 2%~(3社間)/ 5%~(2社間) |
Easy factor/イージーファクター
easy factor(イージーファクター)は、人気の優良ファクタリング会社株式会社NO.1が運営するオンライン完結型のファクタリングサービスになります。
イージーファクターの魅力は、申し込みから契約・入金までのスピードが他社に比べて非常に早い点や、発生する手数料が一般的なファクタリング会社に比べて非常に低いといった点を挙げることができます。
オンラインで全て完結させることができるので、手続きがしやすい点もイージーファクターの強みになります。
基本情報
即金可能額 | 50万円〜5000万円 |
入金まで | 最短60分(最短10分で見積提示) |
買取手数料 | 2%〜8% |
ペイブリッジ
広告・IT業界専門の資金調達サービスはペイブリッジ
創業12年になる老舗ファクタリング会社ペイブリッジは広告・IT業界専門にサービス展開をしており、手数料は0.5%〜と業界最安値となります。
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基本情報
即金可能額 | 下限不明〜3億円 |
入金まで | 最短即日 |
買取手数料 | 0.5%〜上限不明 |
MSFJ
成功者に選ばれるファクタリング会社MSFJ
MSFJでは選べる3つのプランから自分にあったプランを選択できます!
プランごとに特徴が分かれており以下の通りとなっています。
クイックプラン・・限度額100万円まで 手数料3.8%~ 審査スピード 1営業日
プレミアムプラン・・限度額 5,000万円まで 最低手数料 1.8%~ 審査スピード 最短1営業日
個人事業主プラン・・限度額 10万円~500万円まで 最低手数料 3.8%~9.8% 審査スピード 最短当日振込
基本情報
即金可能額 | 10万円〜5000万円 |
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